井穴刺絡療法は、手足の爪の生え際付近にある「井穴」と呼ばれるツボを刺激する施術法です。
自律神経の乱れに伴う不調や、肩こり、腰痛、頭痛、冷え、胃腸の不調などで用いられることがあります。
みね鍼灸治療室では、症状や体調、体質、服薬状況などを確認したうえで、必要に応じて鍼灸施術の一つとして取り入れています。
井穴刺絡療法とは
井穴刺絡療法とは、手足の爪の生え際付近にある「井穴(せいけつ)」と呼ばれるツボを刺激する施術法です。
横浜の内科医であった故・浅見鉄男先生が、ご自身の肩こりに対して井穴刺絡を行った経験をきっかけに研究を重ね、体系化されたとされています。
東洋医学の経穴の考え方と、現代医学における自律神経、運動神経、感覚神経などの働きを組み合わせて考えることが特徴です。
どのような方法で行うのか
井穴は、手足の爪の生え際の角付近にあります。
施術では、専用の針を使って少量の出血を促す方法や、刺さない器具を使って皮膚に刺激を与える方法などがあります。
手足には左右それぞれ複数の井穴があり、すべてを刺激するわけではありません。症状や身体の反応を確認しながら、必要な場所を選び、組み合わせて施術します。

実際の施術方法については、下の映像もご覧ください。
どのような症状で相談されることが多いか
井穴刺絡療法は、自律神経、運動神経、感覚神経などに関係すると考えられる不調に対して用いられることがあります。
みね鍼灸治療室では、次のようなお悩みで相談されることがあります。
- 肩こり、首こり、腰痛、膝痛
- 頭痛、しびれ、身体の痛み
- 胃もたれ、食欲不振などの胃腸の不調
- 不眠、動悸、めまいなど自律神経の乱れに伴う不調
- 花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎などに伴う不調
- 身体を動かしにくい、動かすと痛む
- 冷え、疲れやすさ、重だるさ
症状名が同じでも、原因や身体の状態は一人ひとり異なります。そのため、施術前後の身体の動きや痛み、感覚の変化を確認しながら進めます。
井穴刺絡療法の特徴
井穴を刺激した直後に、身体の動きや感覚が変化することがあります。
- 首を動かせる範囲が変わる
- 肩や腰が動かしやすくなる
- 痛みや重だるさの感じ方が変わる
- 呼吸がしやすく感じる
施術前後の変化を確認することで、どの神経や身体の部位が症状に関係しているかを考える手がかりになる場合があります。
反応の出方や感じ方には個人差があります。すべての方に同じ変化が現れるものではありません。
自律神経との関係
自律神経は、呼吸、血流、体温、消化、睡眠など、自分の意思では直接調整しにくい身体の働きを支えています。
自律神経には、活動時に働きやすい交感神経と、休息時に働きやすい副交感神経があります。この二つが状況に応じて切り替わることで、身体の状態が保たれています。
しかし、強いストレス、睡眠不足、過労、気温差などが続くと、自律神経の働きが乱れやすくなります。
- 眠れない、眠りが浅い
- 疲れが取れない
- 胃腸の調子が整わない
- 動悸や息苦しさを感じる
- 頭痛やめまいがある
- 身体が冷える、ほてる
- 気分が落ち着かない
井穴刺絡療法では、特定の井穴を刺激し、自律神経の働きに関わる身体の反応を確認しながら施術を進めます。
身体のバランスを整えるという考え方
身体には、体温や血圧、血糖値などを一定の範囲に保とうとする働きがあります。この仕組みは「ホメオスタシス」と呼ばれています。
ホメオスタシスには、自律神経系、免疫系、内分泌系などが互いに関係しています。
ストレスや疲労が続くと、これらの働きが乱れ、さまざまな不調が現れやすくなります。
みね鍼灸治療室では、一つの症状だけを見るのではなく、睡眠、胃腸、冷え、疲労、生活習慣なども含めて身体全体の状態を確認します。
自律神経に関係する症状
- 不眠、眠りが浅い
- 動悸、息苦しさ
- 胃もたれ、食欲不振
- 便秘、下痢
- めまい、頭痛
- 冷え、ほてり
- 疲れやすさ、不安感
運動神経に関係する症状
- 肩こり、首こり
- 腰痛
- 膝痛
- 腕や脚を動かしにくい
- 身体を動かすと痛む
- 関節の動く範囲が狭い
感覚神経に関係する症状
- 痛み
- しびれ
- ピリピリした感覚
- 感覚の鈍さ
- 触れたときの違和感
- 灼けるような痛み
施術を受ける際の注意点
井穴刺絡療法は、すべての方に同じ方法で行う施術ではありません。
血が止まりにくい方、抗凝固薬や抗血小板薬などを服用している方、体調が著しく低下している方などには、行わない場合があります。
初回には、現在の症状、服薬状況、既往歴などを確認したうえで施術方法を判断します。
また、症状によっては医療機関での検査や治療を優先していただくことがあります。
みね鍼灸治療室での施術方針
みね鍼灸治療室では、井穴刺絡療法だけに限定せず、鍼灸、身体の状態の確認、生活面のアドバイスなどを組み合わせています。
一時的な変化だけを見るのではなく、「なぜ不調が続いているのか」「生活習慣がどのように関係しているのか」「身体がどのように反応しているのか」を確認しながら施術を進めます。
症状や施術内容について、不安なことや分からないことがあれば、遠慮なくご相談ください。
よくある質問
Q. 施術は痛いですか?出血はどのくらいしますか?
鍼を刺す際に、チクッとした刺激を感じることがあります。ただし、ごく浅い刺激のため、強い痛みを感じる方は多くありません。
出血量は少量で、数滴程度です。多量に出血させる施術ではありません。痛みや刺激の感じ方には個人差があるため、不安がある場合は事前にお申し出ください。
Q. どのような症状で行われることがありますか?
自律神経の乱れに伴う不調、肩こり、腰痛、頭痛、冷え、胃腸の不調などで用いられることがあります。
また、花粉症やアトピー性皮膚炎など、アレルギー症状に伴う不調について相談されることもあります。
症状の原因や体質によって施術方法は異なり、すべての症状に同じ反応がみられるわけではありません。
Q. 危険性はありませんか?
みね鍼灸治療室では、使い捨ての器具を使用し、衛生管理に配慮して施術を行っています。
ただし、出血を伴う施術のため、血が止まりにくい方、抗凝固薬や抗血小板薬などを服用している方、体調が著しく低下している方には行わない場合があります。
服薬中の薬や既往歴がある場合は、施術前に必ずお知らせください。
Q. どのくらいの頻度で受ける必要がありますか?
施術の頻度は、症状の種類や経過、体力、生活状況、服薬状況などによって異なります。
初回に現在の状態を確認し、身体への負担を考慮しながら、その方に合わせた施術計画をご提案します。
施術後の反応や症状の変化を確認し、無理のない範囲で間隔を調整します。
Q. 通常の鍼灸施術と一緒に受けられますか?
はい。井穴刺絡療法と通常の鍼灸施術を組み合わせることがあります。
併用するかどうかは、症状、体質、体力、その日の体調などを確認したうえで判断します。
井穴刺絡療法のみを行う場合もあれば、鍼灸施術を中心に必要な刺激を加える場合もあります。身体への負担が大きくなりすぎないよう、反応を確認しながら施術内容を調整します。


