左肩痛　上腕痛　頚部痛

２ヶ月ほど前にご主人が手術をうけ、食べられる物の種類や食事の回数が多くなり気を使うことが増え、ストレスが掛かる様になる。
今までご主人がしてくれていた用事を自分がしなければならなくなり、身体的な負担も増えた。それから痛みが出だしたとのこと。

服を脱ぎ着するのも辛く、友人に相談したところ当治療室を紹介され来院される。
数十年前にも同じような症状があり、整形外科では頚椎に問題があるとのことを言われるも、改善がなかった。
当時、中国鍼に行き治ったとのこと。

今回痛くなったのは左上肢をのばして物を取る時にビリっと痛くなる。

動診をすると、上肢を前に上げると100度ほどでビリっと痛くて上がらない。
後ろに伸ばすと動かせるが違和感がある。
水平で外転すると70度ほどで痛みがでる。
水平で内転も少し痛む。

首の動診では痛みや動かしにくいことはない。
仰向けに寝るとしばらく痛みがある。

まずは足が冷えていたので足湯をしながら、可能なところから治療と何が原因か突き止めていった。
首の圧痛を探っていくと、胸鎖乳突筋や首の前側に強圧痛が多数あり。そこに円皮鍼を貼り上肢を動かしてもらうと、前から挙上してもらうのが楽になる。
以前にむち打ちなどなかったかと確認すると、以前痛くなった時は、犬を散歩中、急に犬に引っ張られた時に首がガクッとなり傷めてから起こったことを思い出す。

次に、体質的に副交感神経が亢進しやすいようだったので右のH5を刺絡。すると更に手が上げやすくなる。
続いてF5と左H5を刺絡。更に手が上げやすくなる。この時点で180度まであがる。後ろに伸ばすのも違和感なし。
水平で内転も痛くなくなる。

水平で外転だけ残る。
体性神経的にH1・H2を刺絡するも、ほとんど変化なし。
肘周囲の圧痛を調べ、尺沢・曲池・少海に強圧痛あり。円皮鍼を貼ると少し楽に。

また手をよく使っているとのことで合谷を調べると圧痛あり。円皮鍼を貼るとまた少し楽に。
中府・肩貞付近の強圧痛に円皮鍼を貼るとまた少し楽に。

動きは90度開くようにはなるもまだ痛みは残っている。
強圧痛は無いものの肩や肩甲間部に気持ちのよい圧痛があったので電気をかける。

一度の治療で手が挙がるようになったことや服が楽に着れることに驚かれ、喜んで帰られた。